March 21, 2013

March 3, 2013

February 12, 2013

text_049


薄く鋭利な刃の上に
指の腹をそっと乗せて
スッとその指を引く
心臓がギュッとなるような
イメージがときどき訪れるのは
なぜでしょう
そして
ギュッと拳を握りしめる
掌に爪をたてて
深く息をつく
息苦しいような
その冷たい熱を帯びた何かが
融けていくのを
一人じっと待つのです

February 10, 2013

text_048



どこかに行ける
そんな気がしてワクワクしている
景色は流れることを止めない
あたりが暗くなっていることに気がつく
トンネル? そうじゃない
さっき目を閉じたんだった
朝日を受けたビルの群れが
厚さ0.8ミリメートルのスクリーンに
次々と影を映し出す
時速百キロメートルのスライドショウ
もう少し目は閉じたまま
時間も流れることを止めない

February 2, 2013

text_047



ヘッドフォンをつけて
音楽もかけずに
歩いていると
自分の足音が
脈動のように聞こえる
ドッドッドッドッドッドッドッ
歩き続ければ
止まらなければ
当たり前だけど
その間は
生きているっていう
ことだろうね
ドッドッドッドッドッドッドッ
ドッドッドッドッドッドッドッ

January 7, 2013

text_046

 
 
text_
 
冬の白く澄んだ朝のような
雨に濡れて黒く輝くアスファルトのような
どこかの地図を思わせるコーヒーのシミのような
取り残された冬のカマキリのような
夏の終わりの剥げかけたペディキュアのような
鼻の奥に残る石油ストーブの臭いのような
そっと突き出した唇のような赤い絵の具を煮詰めたような
霧雨の中を自転車で走り抜けるような
偉人の名言であふれた日めくりカレンダーのような
今日でもなく明日でもなく、
名前も顔も持たない時間のような
なんだったっけ

December 2, 2012

text_047

定休日(木)

(という名前の日常)

text_046

бактерии
(美しさが巣食う世界)